こんにちは、PON(@pon_side)です。
このサイトでは、ガジェットやデスク周りのアイテムを中心に紹介していますが、自分のもうひとつの趣味がカメラです。
今回は商品レビューからちょっと離れて、これまで使ってきたカメラを振り返ってみます。レビュー記事の合間の箸休めみたいな位置づけですが、機材選びで迷ってる方には、ひとつの実例として参考になる部分があるかもしれません。
社会人になってからフルサイズ、フィルム、そしてFujiのミラーレスへと、自分のカメラ遍歴はそれなりに紆余曲折してきました。それぞれの機種で何を感じて、なぜ次へ移っていったのか。順番に整理していきます。
カメラ遍歴のはじまり:Canon EOS 60D
自分が最初に手にした一眼レフは、Canon EOS 60Dです。
購入のきっかけは「沖縄の景色を残したい」だった
カメラを買おうと思った直接のきっかけは、沖縄でした。大好きなあの海の色や空の広さを、ちゃんとした画質で残したい。そう考えたのが始まりです。スマホのカメラでも記録はできますが、目の前で感じた感動をそのまま写し取るには、やっぱり物足りなさがあったんですよね。
社会人になって初めてのボーナスが入ったタイミングで、カメラの購入を決めます。このときすでにフルサイズ機への憧れはありましたが、価格を見て現実的に断念。代わりに選んだのが、当時の最新APS-C機だった60Dでした。店頭で長く迷うことはなくて、わりとすぐに決めたのを覚えています。
初めての一眼レフで感じたこと
決して安い買い物じゃありませんでしたが、満足度は高かったです。理由は大きく2つあります。
ひとつは、所有欲が満たされたこと。手に持ったときのずっしりとした重量感、シャッターを切ったときの音や感触。一眼レフならではの質感は、それだけで満足感がありました。
もうひとつは、スマホでは撮れない写真が撮れたこと。背景のボケ方や描写の細かさは、当時のスマホカメラとは明確に違いました。撮った写真を見返すたびに、買ってよかったと実感したものです。
とくに旅行先での撮影は、それまでとまったく違う体験になりました。沖縄の海をはじめ、出かけた先々で「これを残したかった」と思える写真が増えていく。撮ることそのものが旅の目的のひとつになっていったのも、この60Dがあったからこそです。バリアングル液晶でローアングルや変わった構図にも挑戦でき、撮影の幅が広がっていく感覚も楽しかったですね。
ただ、フルサイズ機への憧れが消えることはありませんでした。「いつかはフルサイズを使ってみたい」。60Dを使い込みながら、その思いはずっと持ち続けていました。APS-Cでも十分に満足していたからこそ、フルサイズならどれほどの世界が見えるのか、っていう期待が膨らんでいったんだと思います。
憧れのフルサイズ:Canon EOS 5D Mark II
長く抱いていた「いつかはフルサイズ」を実現したのが、Canon EOS 5D Mark IIです。
第一子の誕生がフルサイズ購入の後押しに
購入のタイミングは、第一子が生まれた頃でした。家族が増えるという節目に合わせて、ついにフルサイズ機へステップアップします。
手に入れたのは、60Dを買った当時に憧れていた5D Mark II。組み合わせるレンズには、標準ズームの定番だったEF24-70mm F2.8L IIを選びました。かつて手の届かなかった憧れの組み合わせを、ようやく自分のものにできたわけです。
フルサイズで実感した描写力の違い
実際に使ってみて、写りには大きく感動しました。とくに印象的だったのは2点です。
まず、ボケ味。フルサイズセンサーならではの大きなボケは、背景を美しく溶かして、被写体を際立たせてくれます。APS-Cの60Dから乗り換えると、その立体感の違いははっきり感じられました。
次に、人物の描写。当時は第一子をよく撮っていたんですが、肌の質感や微妙な表情のニュアンスまで繊細に捉えてくれる点に驚きました。フルサイズの実力を、家族のポートレートを通して実感した形です。
EF24-70mm F2.8L IIの描写も、この感動を大きく支えてくれました。開放F2.8の明るさと、ズーム全域で安定した解像感。標準ズームでありながら単焦点に迫る写りで、これ一本あれば旅行のほとんどのシーンをカバーできました。レンズの良し悪しで写真がここまで変わるのか、と実感させてくれた一本でもあります。
この5D Mark IIも、60Dに続いて旅行の常用機になりました。憧れを実現した一台とともに、いろんな景色を撮りに出かけたものです。発売から時間の経った機種ではありましたが、それを感じさせない描写で、今振り返っても完成度の高い相棒だったと思います。
予想外の方向転換:フィルムカメラへの傾倒
順調にデジタル一眼を使い込んでいた自分ですが、ここで予想外の方向に進みます。フィルムカメラの世界です。
ミラーレス移行を検討するなかでフィルムに惹かれた
きっかけは、ソニーのα7が大きな注目を集めていた頃でした。手ぶれ補正を備えた最新ミラーレスに魅力を感じて、マウントの乗り換えを検討し始めたんです。
ところが、いろいろ調べていくうちに、心境が逆方向に動いていきました。最新のデジタル機ではなく、フィルムカメラに惹かれていったんですよね。
現実的な理由としては、手持ちのEFマウントレンズをそのまま活かせる点がありました。Canonのフィルム一眼レフであれば、これまで使ってきたレンズ資産を流用できます。そうして選んだのが、EOS 55というフィルム一眼レフでした。とはいえ、レンズ資産はあくまで後押しの理由で、本音のところでは、デジタルに囲まれた日常のなかでフィルムという存在が新鮮に映った、っていうのが大きかった気がします。
「すぐに見られない」という不便さが楽しかった
実際にフィルムを使い始めると、すっかり魅了されました。
最大の魅力は、撮った写真をその場で確認できないこと。デジタルなら当然のようにできることが、フィルムではできません。現像が上がってくるまで、どう写ったのか分からない。この「待つ時間」が、思いのほか楽しかったんです。
デジタルに囲まれた毎日のなかで、あえて手間を楽しむ。効率とは逆を行く道具として、フィルムカメラはちょうどよい存在でした。現像から戻ってきた写真を初めて目にする瞬間の高揚感は、デジタルでは得がたいものです。趣味の道具として、フィルムカメラは満足度の高い寄り道になりました。
枚数に限りがあることも、かえって良い方向に働きました。デジタルみたいに無制限に撮れないからこそ、一枚一枚を丁寧に撮るようになる。何を写すか、どう構えるかをじっくり考える時間そのものが、撮影の楽しみを深めてくれました。効率を追い求めてきた仕事とは正反対の感覚で、それが心地よかったのを覚えています。
コンパクトという発見:RICOH R1S
フィルムにのめり込むなかで、もう一台手にしたのがコンパクトフィルムカメラのRICOH R1Sです。
持ち運びやすさが撮影のハードルを下げてくれた
一眼レフは描写力に優れる一方で、どうしても大きく重くなります。気軽に持ち出すには、それなりの気合いが必要です。その点、R1Sは薄型で軽量。ポケットやカバンにすっと入るサイズ感なんですよね。
このカメラを使って気づいたのは、持ち運びやすさは、そのまま「写真を撮るハードルの低さ」につながるということでした。
大きなカメラだと「今日は持っていこうかどうしようか」と迷う場面でも、コンパクト機なら何も考えずに連れ出せます。常に手元にあるからこそ、撮りたいと思った瞬間にすぐシャッターを切れる。結果として、撮る枚数も、残せる思い出も増えていきました。
機材の身軽さが、そのまま撮影機会を増やす。この気づきは、のちのカメラ選びにも効いてくることになります。
現在のメイン機:Fuji X-E3
そして現在、自分がメインで使っているのがFujiのX-E3です。
Fujiへマウント変更した3つの理由
CanonからFujiへマウントを移したのには、主に3つの理由がありました。
1つ目は、フィルムの色味が好きだったこと。フィルムカメラで味わったあの独特の発色を、デジタルでも楽しみたいという思いがありました。
2つ目は、第二子が生まれて、大きな一眼レフを気軽に持ち出す機会が減ってきたこと。R1Sで実感した「身軽さの大切さ」も、ここで効いてきました。
3つ目は、フィルムをデータ化する手間です。フィルムは好きですが、現像してデータ化するまでの工程は、家族の日常を撮るには負担が大きい。子どもの写真を撮るたびに現像を待っていては、現実的に回らなくなってきていました。
フィルムシミュレーションという答え
これらの課題に対する答えが、Fujiのフィルムシミュレーションでした。
フィルムらしい色味を、デジタルの手軽さで再現できる。撮ったその場で確認できて、データ化の手間もかかりません。それでいて、自分が好きだった雰囲気はしっかり残っている。フィルムへの愛着と、家族との日常の両立。その絶妙な落としどころが、Fujiのシステムにはありました。
フィルムは今でも好きですが、家族にまであの手間を求めるわけにはいきません。その点、X-E3なら気兼ねなく日常を撮れます。コンパクトで持ち出しやすく、写りにも妥協がない。今の自分のライフスタイルに、いちばんよく合った一台です。今は子どもの日常や旅行先の風景を、この相棒で気軽に記録しています。
レンズと撮影スタイルについて
機材遍歴に加えて、自分の撮り方についても少し触れておきます。
ズームは2本のみ、基本は単焦点
これまで所有したズームレンズは、60Dのキットレンズと、EF24-70mm F2.8L IIの2本だけです。基本的には単焦点レンズを好んで使ってきました。
単焦点はズームができない分、自分の足で構図を作る必要があります。被写体に近づいたり離れたり、アングルを変えたり。いわゆる「足で稼ぐ」スタイルです。そして枚数を多めに撮って、その中から良い一枚を拾い上げていく。この過程そのものを楽しんでいます。
失敗写真も含めて記録だと考えている
こういう撮り方なので、失敗写真が出るのは当たり前です。ただ、自分はそれをネガティブには捉えていません。ピントを外したり、構図が決まらなかったり。そうした一枚も含めて、その瞬間に確かにそこにいたという記録だと考えています。失敗写真もまた楽しめる。これが自分のスタンスです。
まとめ:カメラは思い出を呼び戻すトリガー
改めて振り返ると、60Dからフルサイズ、フィルム、コンパクト、そしてFujiのミラーレスへと、ずいぶん寄り道をしてきました。機材は変わってきましたが、根っこにある考え方は一貫しています。
自分にとってカメラは、忘れたくない瞬間を思い出すためのトリガーです。大事な風景や景色を、あとから呼び戻すための装置みたいなものですね。1枚の写真が、その時の空気や感情を一気に呼び戻してくれる。撮った写真を眺めながら過去を振り返る時間は、ちょっとした酒の肴のようなものだと感じています。
高価な機材や高度な技術が必須なわけじゃありません。大切なのは、残したいと思った瞬間にシャッターを切れる環境を、自分なりに整えておくこと。フルサイズの描写力も、フィルムの味わいも、コンパクト機の身軽さも、それぞれの形で「撮りたい瞬間を逃さないため」の選択でした。
これから機材を選ぶ方にとって、何を重視するかは人それぞれだと思います。描写力なのか、携帯性なのか、撮る過程の楽しさなのか。自分の遍歴が、その判断の一助になれば嬉しいです。
— PON